福岡のとある登山道でコウヤノマンネングサを発見!絶滅危惧種の貴重な苔は意外と近くにいた!
7月のうだるような暑さの中、登山が趣味である私は、この日も福岡と佐賀との県境にある、とある山域へ登山に出かけました。
「こんな暑い中、ご苦労さん」という声が聞こえてきそうですが、登山をしている方は理解していただけるかと思いますが、日頃から歩いておかないと体力が落ちるのが、次の山行で良く分かりますよね。
熱中症に気を付けながら登山を楽しんでおられる方は多いと思いますが、意外と山の中は涼しかったりもします。
さて、前置きはこのくらいにして、今回歩いた場所はコウヤノマンネングサを探すことを目的とした登山ではなく、この夏に咲き誇るオオキツネノカミソリというお花が目的でした。
そんな山行の途中で見つけた、コウヤノマンネングサ。

どんな場所にいたのか、周りの環境も合わせてご紹介していきます。
今回見つけたコウヤノマンネングサは絶滅危惧種の貴重な苔です。
よって、登山口もルートも伏せておきますが、苔を探しに山を散策するのも楽しいと思いますので、参考にしてみてください。
コウヤノマンネングサが自生していた山域
今回歩いた山域は、福岡県と佐賀県の県境にまたがる山域です。
目的は夏に咲き誇る、オオキツネノカミソリというヒガンバナ科のオレンジ色に咲く花を観賞することでした。
ここまででおおよその場所が分かる方もいらっしゃるかと思いますが、登山口やルートは複数ありますので、どのルートを通ったかなどはコウヤノマンネングサの種の保存のため明確に記載いたしません。
春と夏には多くの花が咲く山域でもあるので、登山客が多く人気の山域です。私も何度もここには通っているので馴染みのある場所の一つなので、そんなルートでコウヤノマンネングサがいるとは。
意外と近くにいたんだという驚きもありました。

周りの環境とその様子
コウヤノマンネングサが自生していた場所は、岩の上でした。他の苔たちと共存している環境でもありました。
登山道を歩きながら、花の様子も見ながら苔もどんなのが自生しているのかなども気にしながらゆっくり歩いていたところ、ふと目線の先にコウヤノマンネングサが自生していました。
それまでの道中では一切見つけられなかったので、視界に入った時は「え?え~~?これってまさか?」って感じでした。
直射日光が当たらない木陰で、岩の上に自生していました。少し傾斜している岩の面いっぱいにびっしりと。

一見、見ただけでは何かの植物か、または木の芽ではないかと思うような姿です。ですがこれ、正真正銘の「苔」なんですね。
不思議と自生している場所はそこだけで、他の場所では見つけることは出来ませんでした。今回はたまたま見つけることができなかっただけかもしれませんが、いずれにせよあちこちで見つけられるような苔ではないことが分かりました。
近くには沢がありましたが、水のすぐそばという訳でもないです。湿気を好むということから空気中の水分がたくさん飛来するようなところが好きなのかなと思いました。
コウヤノマンネングサってどんな苔?
そもそもコウヤノマンネングサとはどんな苔なのか。
コウヤノマンネングサは「苔界の王様」と言われている苔なんですね。日本に自生している苔の中では最大級の大きさだそうです。私が見つけたものは高さは約5cmあるかないかでした。苔にしてはこの背の高さはやはり大きい。
苔テラリウムの中に入れてあげると、存在感があり、まるでヤシの木のミニチュア版といった姿から、苔マニアの間ではとても人気のある種類になります。
このため、乱獲からその数を減らし今では全国的に絶滅危惧種の貴重な苔となってしまいました。

年に一度地下茎から新芽を伸ばして仲間を増やしていきます。
環境が変わると葉が黄色く痛みやすいのが特徴。
寿命は1年~数年という情報がありました。
コウヤノマンネングサによく似た種もあるらしい
コウヤノマンネングサに似ている他の苔はあるのか、調べてみました。今回見つけたこの苔が、似た別の苔である可能性もあるのではないかという疑問からです。調べてみると…
フジノマンネングサ
フロウソウ
という二つの苔の名前が出てきました。
フジノマンネングサはコウヤノマンネングサに比べやや小さく、繊細な枝分かれが特徴で落葉樹林下の腐葉土の上に生えることが多いそうです。もっと枝葉のような部分がモサモサしているというイメージでしょうか。
フロウソウはさらに小ぶりで、葉が幅広く先端が広くとがっているそうです。これも腐葉土に自生するそうです。
これらのことから、今回見つけた苔はコウヤノマンネングサで間違いないと思います。フジノマンネングサもフロウソウもぜひ見てみたいです。次に登山するときもよく探してみようと思います。
総括:コウヤノマンネングサの自生地発見レポート【福岡】
今回は福岡県と佐賀県にまたがる山域で、コウヤノマンネングサが自生している場所を発見したというレポートをご紹介しました。
乱獲が原因で数を減らし、絶滅危惧種の貴重な苔になってしまったコウヤノマンネングサですが、この山域で岩の上にびっしり自生しているのを確認し、とてもうれしかったです。
種の保存のため、登山口およびルートは非公開とします。ご了承ください。
やはりこの山域は植生が豊かなのでしょうか。季節ごとに様々な植物を見ることができます。この貴重な自然をいつまでも守っていきたいですね。
この他に見つけた苔は
ジャゴケ(写真無)
シノブゴケ(ではないかと思う)

他にもいましたが、お花の写真に夢中になり苔の写真が少なくてすみません。
では、また次の機会に苔の探索をレポートしたいと思います。